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トヨタ・コースターのカスタマイズ(断熱)

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ポリエステル系の断熱材を壁面と天井に。


 音の課題とよく似た課題であり、また、乗用車以上に大きな課題と言えそうなのが断熱のこと。

 

大空間で、なおかつ停車中の車内で過ごす時間も多くなるのがこのクルマの使い道なので、断熱と気密は、防音よりも大きな課題と言えるかもしれません。

 

まずは断熱の問題。いろいろな方法があるようですが、共通しているのは空気層を持つことと、密閉すること。そして盲点は、壁内などでの空気の対流。

空気層と密閉だけを意識して、いわゆる魔法瓶の発想だ! と思ったら大間違い〜 という試行錯誤を、住宅のことを考えていたときに経験しています。どういうことかと言うと・・・ 住宅建築を考えるとき、断熱材を何にするか? というのはコストと快適性の関係から誰もが経験する悩みと思いますが、断熱材のチョイスはプロでも意見が割れるところ。ふとしたとき、素人発想で、空気層を手に入れるためだけなら、グラスウールはダメとか発泡性がいいとかいろいろ言ってないで、密閉されたボックス状の構造材を並べるのはどうよ? と、なんとなく思ったのです。魔法瓶だって、中に何も入ってないし。ウエットスーツだっけ、中は気泡でしょ?・・・ ところがこの発想は全然ダメみたい。対流が発生するから。(防音性はもっとダメ。太鼓になってしまうから)

 

断熱というのは、温度の違う空気を移動させないことが最重要ポイントなのだそうです。ダウンジャケットも、ウエットスーツも、そう言われればそうでした。ちなみに、魔法瓶は真空(真空に近い)で、空気がどうこうという発想が通用しないらしく、対流も気にしないで良いから良い! のだとのこと。

 

そんなわけで、壁内に何かを詰め込む必要がある。建築士に相談してみると、発泡性の断熱材は、隅々しっかり塞いでくれそうで、そうもいかないことも多く、部分的な弱点ができてしまうことが多いみたい。その弱点は熱をよく伝えてしまう部分、熱橋となって、クルマの場合はたぶんそこで激しく結露してしまい、いずれ錆が出るかもしれない。それに、走行による振動によって各所に隙間ができる可能性が高いとのこと。確かに、いったん膨らんでも、それ以上に膨らむわけではないし、膨らんだあとは押されれば潰れる素材・・・ 熱橋だらけになりそうです。

グラスウールは湿気を吸うし、吸った湿気の重みで垂れ下がって、どんどん性能が悪化するとのこと。セルロースもロックウールも同じような理由でNG。(ただし湿気を吸うことのないような気密性の高い施工ができれば別)スチロールでは壁内に行き渡らせることは不可能。まさか、クルマ全体を外断熱するわけにもいかないし。

 

選んだのは、湿気を吸わない、押せば戻る性能を保持できる。体に悪くない。比較的軽い。クルマの壁内でも詰め込みやすくて、修理が必要なときには外しやすい。臭いがない・・・ などの性能を満たす素材、ポリエステル系の断熱材。真っ白で、素手で触っても全然大丈夫。布団の中わたのようなもの。6畳用のワンパックが、中型の冷蔵庫くらいの大きさです。これを開封すると大型の冷蔵庫くらいに膨張。いい感じ。そしてこの素材、素手で適当な大きさに裂くことができますし、細かくちぎることもできますので愉快。割いて、ちぎって、隙間という隙間に詰め込みます。ふわっと、しかししっかりと。対流を止めることを意識しつつ。(ついでに防音性能もアップしていくことを確認しつつ)

 

楽しく作業していて、ひとつ気になったこと。気密については注意が必要かもしれない。締め切って単独で作業をしていたら、ガラス窓が曇りました。(少し寒い11月)ひとりの熱気と外気との温度差と、たぶん呼気に含まれる湿気? 温度差による結露はまた別の問題として、気密性が高すぎると酸欠になるのでは? キャンピングカーのみなさんどうしているのでしょう?