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待つべきか? 戦国時代のリチウムイオン電池

<待つべきか? 戦国時代のリチウムイオン電池

 

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10年ひと昔。ものによっては、5年、3年、ひと昔。・・・時間が経過すると世の中がガラリと変わることは今に始まったことではないにせよ、ここ数年のスピードは特に早い。

 

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リチウムイオン電池が登場した頃、「こんな高いものは売れません。実用化はできても一般化させることは無理だと思います」と、電池のメーカーも電気機器のメーカーも考えていたそうです。あのソニーNECでさえも。多くの人たちが、リチウムの時代を予見できなかったと、つい最近聞きました。

 

価格が9分の1にまで下がり、そろそろ一般化できるかな、それとももっともっと下落するのかなというところで、2022年には相場が反転。ちょうどその頃、トヨタが「リチウム、本気でやります」という主旨のアナウンス。(あんなにハイブリッドカーを販売していて、それまではほとんどニッケル水素)世の中をよく見ているのか動かしているのかわかりませんが、いずれにせよ商売上手。

 

 

他の自動車メーカーはと言えば、三菱は1kwhで26万円というような電池を10kwhも搭載した軽自動車を世に出したこともあるのに、やる気があるのかないのかよくわからず。ホンダはエコをよく訴求する一方で電池をあまり積極的に使わないシステムを選択してきた様子。日産はリーフの発売前からリチウムのリユース&リサイクル会社を整備するなど本気度が高い。その他のメーカーは様子見とテスト程度? ・・・という調子で足並みはバラバラです。海外のメーカーも足並みが揃っているわけではなくて、いろいろなことが提案され、試されているような状態。

 

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リチウムをめぐる世界はどうやら戦国時代です。だからこそ、次世代の覇者への期待も盛り上がるのですけれど、全樹脂電池や全個体電池や、さらに進んだ電池が世の中に出てくるのはまだ何年か先のこと。・・・戦国時代なら、覇者たる資質を実績によって証明できるものについていくのが良いという構図と見れば良いのではないでしょうか。

 

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目的によっては、次の時代まで待ちましょうという考え方もできそうですが、過去を振り返れば、鉛蓄電池には150年を超える歴史と実績がある中で、ある分野を除けばリチウムに完全に置き換えられてしまったことから、現在のリチウムがいかに画期的であるかがわかります。ノーベル賞レベルの基礎的な要素が完全に実用可能な技術となって世の中を席巻するまでの速度がとても早い。

 

このような場合、最先端には馴染めないはず。別の言い方をすれば、最先端と思われるものの中でベストと思えるものがいつまで経っても見つからない。電卓やパソコンは、10年前のものなんて使い物にならないか、買うだけ損だったという初期の10年間を経て、その後、10年前のものでも特に問題なく使用できるという状態になり、それからはゆっくりとした進化を続けています。ソーラーパネルもそんな感じです。

 

では、リチウムイオン電池は? ズバリ、モノによります。少し前までは、まずいリチウムイオン電池もありました。特に、玩具用や小型の機器用など。一方、自動車用に目を向ければ、現在でも通用するようなものばかり ー自動車用としての役目を終えても、別の目的で活用できるものばかりー であることがわかります。

 

大企業の責任感と、大量生産によるコストダウンと、と助成金補助金と、市場における耐久テストという段階と幾重ものフィルタリングを経て、有利な環境で育まれ、実証されたリチウムイオン電池は、過去も将来も自動車用でしょうから、リチウムが欲しい人は、自動車用のリユースを追いかけるのがベストだと思います。

 

つまり、待つことも追い求めることもせず、わざと周回遅れで追いかける戦略。戦国時代なら、それがベストと観て良いと思います。

 

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待つべきか? 蓄電池