Industnatural(インダストナチュラル)

「インダストリアル」と「ナチュラル」のハイブリッドライフを提案&実践中

DIY・オフグリッド・恐ろしいBMS

やむを得ない事情で試すことになり、非常に危険であることを確かめることができました。

 

恐ろしいBMS、というよりもむしろ、恐ろしい使い方があります。

設定の変更ができないBMSで、アンペア数がギリギリのBMS

こういうBMSは、一般電力供給用としては、絶対に使わないようにすべきです。

 

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BMSなら、今のところJBD かDALYの二択です。JBDのほうが簡単だと思います。

これら以外のBMSについては、このブログでも過去に警告したことがあります。

その理由は、BMSとしての性能の問題ではなく、設定の変更ができないということが問題だからです。

 

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今更ですが、BMSは充放電管理システムです。

リチウムイオン電池の充電と放電が安全にできるように維持管理してくれて、なおかつ問題があれば電力を切断してくれる装置です。

 

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1、リチウムイオン電池には種類があるので、BMSにも種類があります。

 

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2、リチウムイオン電池は通常単体では使用せず、組み電池として使用するため、BMSはその組み方に合わせて選ぶ必要があります。

 

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3、組電池によって入出力の電圧もアンペアも変わるため、それに合わせたBMSを選ぶ必要があります。

 

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4、BMSの選択や取り付けが的確でも、許容できるアンペア数を超えるチャレンジはNGです。

 

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5、BMSに関する全てが的確でも、設定が間違っていると蓄電池の能力を出せなかったり、能力の限界を超えてしまったりするので注意が必要です。(電圧、電流、温度について)

 

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以上、5つがBMSの選択や設定についての一般的な注意事項ですが、それでも、許容アンペア数が低く、そして設定の変更ができないBMSを使う場合はまた違った注意が必要です。

 

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6、蓄電池の先で、AC100ボルトを使うつもりなら、少なくともスマートフォンサイズよりも大きなBMSを使うこと!(それより小さいものは電動バイクレベルまで)

 

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これで大抵の危険は回避できるはず。

 

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では、危険な経験をご紹介します。

やむを得ない事情で一時的に使ったBMSは、スマートフォンの半分くらいのサイズでした。設定の変更はできず、そして許容アンペア数は20。48Vシステムで800W程度の負荷を想定していたので、20Aであれば計算上は問題ありません。

 

ところが・・・ 第三者によるテスト後の蓄電池は35Vを示しました。35Vと言えば、一般的なリチウムイオン電池の過放電限界ポイントです。これ以下になると復旧できないばかりでなく、危険とされます。そこで停止したのはこの小さなBMSのおかげで、もしもこれがなければさらに放電を続けていたものと思われます。BMSは充放電と温度の条件が蓄電池に対してまずいと判断されるときにヒューズのような働きをしてくれるのです。そうしたまずいラインを任意に設定できるBMSであれば、例えば35Vまで追い込まずに、39Vくらいで停止させることも、その後に例えば41Vで復帰させるというような使い方ができます。

 

35Vまで追い込んで停止に至ったというのはなかなか過酷なストレステストですが、それはそれで興味深いテストではあると考えて自分も同じことをしてみたのですが、800Wの負荷をかけて10分もしないうちに、嫌な予感がしたのでそのBMSの表面アルミに触れてみると・・・熱い! ずっと触れていることができないような温度でしたが、そのまま安定していました。寒い日で、風通しが良い環境なのでギリギリ安定している状態と思われました。20Aの容量で、使用しているのは多く見積もっても18Aですが、それでこの温度上昇。

これは完全に実用不可。良いレッスンでした。

 

家庭用で48Vシステムなら、ー 例えばハイブリッドインバーターを使う場面なら ー・・・

5000Wというようなボリュームにもなるわけですから、アンペア数はざっと見ても100Wでギリギリ。余裕を持たせるなら、120Aでもまだ少々足りない。できれば200A、300Aというようなモデルで、なおかついろいろなカスタマイズができるものを選ぶようにしましょう!

 

(追記ですが、アンペア数が高ければそれで良いわけではなく、過充電電圧も高く、なおかつ設定変更できないという、ごっついBMSもありますのでご注意ください)