<DIYでオフグリッドを計画する人のためのメモ その5> 予算計画のつづき
<DIYでオフグリッドを計画する人のためのメモ その5> 予算計画のつづき
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前回(その4)までで、ソーラーパネルからの電気を入力するところまでと、蓄電池をハイブリッドインバーターに接続するところまでが完成しています。
(ここまでの予算は約115万円)
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<いよいよ、(屋内)配電盤の接続>
ハイブリッドインバーターから引き出した100Vのケーブルを屋内の配電盤へと導きます。
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<コスト>
うまくすれば、5万円を超えることはないと思います。
内容はほとんど工事費用。
新規に部材が必要になるかどうかは考え方次第です。
というのは、配電盤は一般家庭であればすでにあるから。
並列して新設の配電盤を用意する場合が最も高額になりますがそれでも数万円のプラス。
既存の配電盤に工夫を施す程度であれば2万円〜3万円で済みます。
既存の配電盤に入力する電力の全量をハイブリッドインバーターに差し替えてしまうなら、銅線の代金のみでOK。
<落とし穴>
バックアップ&リカバリー&メンテができるかどうか?
ハイブリッドインバーターや蓄電池にが万一トラブルがあったときに、従来の商用電源オンリーの環境にすぐに戻せるか? あるいは自動的に戻せるか? そこがポイントです。自動で電源を切り替えることができる装置は存在しますが、国産品はどうも出荷が遅れに遅れているようで一般に使用できるものになっていません。輸入品ならいくつもの選択肢があるのですが、100V/ 60Aの全量を自動的に切り替えても問題なく動作する信頼性の高い装置であるかどうかは未知数です。故障なんてしないことが前提だからと、万一のときにはドライバーを使って配線を移設できるような人や、古い工場の解体現場などから出てくるようなナイフ式スイッチのようなものをうまく組み合わせて突破できる人はいろいろな方式を検討できます。
どのような形であれ、停電時のために、バイパス回路を作っておくか、すぐに作れるようにしておく必要があります。
もうひとつの落とし穴は、「その電源で全量をカバーできるのか? して良いのか?」です。もともと全量カバーできそうにないのであれば、最初からパソコン関係や冷蔵庫だけは商用電源のを引き続き使うことにしておく・・・ というような使用環境の設計、計画が必要です。
他にも実用、運用面では細かなノウハウがたくさんあります。蓄電池のご機嫌と健康状態を長期間良好に保てるかどうかも、そうしたノウハウに関わる部分です。そのような点をDIYで試行錯誤を重ねて楽しむか? それとも電気代の節約という目的を早期実現するために部分的にでもプロのアドバイスを求めるか? 後者が良いと考えるなら、蓄電池をプロのお世話になって、そこでノウハウを求めるのが得策です。なぜなら、電気工事屋さんは商用電源には詳しくてもオフグリッドに詳しくない場合が多いですし、パネル屋さんはパネルの取引に詳しくても関連設備についての細かな相談に乗ってくれないことが多いからです。
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さて、全部で予算は約120万円になりました。
(細かな部材を除いた目安をまとめます)
・パネル・・・60万円
・ハイブリッドインバーター・・・15万円
・蓄電池・・・35万円
・配電盤(屋外、屋内)の加工、新設等・・・10万円
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次回は、「買い直す必要、買い増す必要」について
(将来必要になるかもしれない予算についても検討しておけば、長期的に無駄のないDIYができますからね!)