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トヨタ・コースターのカスタマイズ(乗降口のドアを交換! したい。→ してみた!)

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折戸からグライドドアへの改造。オススメしません。



いろいろなカスタマイズをすすめていく中で、どうしてもなんとかしたいと思っていたのがドア! サイド(乗降口)のドアです。

 

このクルマの乗降口は折戸。タマ数の少ない中古車に100%満足できるような個体はありませんけれど、折戸はなかなかチャレンジングな選択。このクルマを選んだ理由のひとつ・・・ ではありません。折戸が好きな人はいるのかもしれませんが、僕としては、なんとかしてこの折戸を廃止したい。

 

最初に考えたのは、キャンパードアにしてしまうカスタマイズ。これは海外のサイトでは当然のことのように見受けられるのですが、日本でこれをしている人を見たことがありません。箱型のトレーラーやキャンキングカーに使用されている、網戸と一体となって動くドアで、断切性能も高いことを知っています。しかしこれがとても高価。ドアユニットを日本で確保できたとしても十数万円しますし、コースターのボディー曲面に合わせるためには専用のフレームを輸入するか製作するかしなければなりません。それでも、折戸とさようならできるのであればと何日か悩みました。

 

そしてある日、いっそまるっと造ろうか! と思ってあれこれ考えて、結局のところ、ドアそのものはなんとかできても、やはり最終的にはコースターの曲面にフレームを合わせるという工程というか、加工がネックとなって思い切ることができません。

 

残る選択肢はひとつ。移植。ドナーは、グライドドアを持つコースターの廃車か、可能性はうーんと低いけれども折戸を求める人か、キャンパードアを求めるキャンピングカーメーカーからの放出! どちらの可能性も低い・・・。

 

・・・その後・・・

オークションで見つけて即決。当然だけど大きな箱で到着。大型冷蔵庫を縦にスライスしたような箱。重い! 単独では運ぶことができません。 ということは、取り付けも治具をよほど工夫しないと無理。それに、折戸モデルとグライドドアモデルでは乗降口の形状が少し違うようです。さて、どうなることか。時間ができるまでしばらく箱に入れたまま保管します。

 

・・・さらにその後・・・

箱から出してみたら単独でなんとか持ち上げることのできる重量。ガレージの入り口に吊るし、コースターを横付けして作業開始! 

折戸バージョンと、グライドドアバージョンでは、ドアの形状ばかりでなく、枠側、つまり、ボディー側の形状もずいぶん違うことを確認。 

ーその詳細ー 上部は折戸バージョンの方が後付け部品が多く、ごちゃごちゃしていて低い。下部は、グライドドアバージョンの方が後付け部品が多く、高い。両サイドは、折戸バージョンのほうが幅広で、奥行きが深く、柱も太い。このため、折戸モデルにグライドドアを取り付けるためにしなければならないことは2パターン。パターン1、ボディー側で撤去できそうな部品を撤去した後、グライドドアの側を一部カットするなどの加工をしてはめ込み、そのあとで隙間を塞ぐ。パターン2、ボディー側を加工(基本的にシリアスなカットは不要)して、グライドドアをうまく受け止められるようにする。

 

・・・施工・・・

パターン1、を選択しました。折戸関連備品を可能な限り外してしまい、グライドドアが治らない部分について、グライドドア側をカット。カット部分は、窓ガラス上の枠の部分と、最下部の膨らみをそれぞれ道路と並行に上は7センチほど。下は4センチほどカット。ボディー側の枠となる部分の両サイドにそれぞれ15ミリ厚ほどの台座付きでドアストライカーを固定。これでいったんドアをキャッチできるようになり、それに合わせてドア開閉のための金物をフレームすれすれに固定。折戸バージョンのほうがピラーが太いため、金物をボディーに固定するためのアルミ鋳物部分をそのままでは使うことができず、鋳物部分をワンオフの金物と置き換えるか、それとも鋳物部分をホールドするための金物をワンオフで制作するかの選択となる。後者を選び、ドアの開閉ができることを確認して、ドア下部の角度サポート用の可動式バーをステップフロア床下中央あたりの適当な位置で固定。これで、ドアの開閉そもものはできるようになります。あとは、ウェザーストリップをどうするかですが、グライドドアについていたゴムパーツを、市販のアルミ棒材を活用してボディーおよびドアの両方に固定します。この処置によって、防水と気密について、折戸とは比較にならないレベルに高めることができます! 

 

・・・施工後・・・

キャンピングカーには、ひょっとすると折戸の方が良いです。夜中のサイトで開け閉めするとき、ものすごく静かに、力を入れずにできるから。グライドドアの手動の場合、普通のクルマのドアの開閉時よりも大きな音を出すことを避けられません。それはドアキャッチが左右に二箇所あるし、大きな平面がどんとぶつかってはじめてキャッチされる仕組みだから。これを静かに締めるためにはひと工夫必要です。

 

 ・・・その後・・・

ドアの立て付けの調整と開閉メカニズムの調整は、なかなか難しいようです。大きなものなので、少しの角度の違いがもたらす影響は、長い辺の端ではずいぶん拡大されるためです。立て付けの調整のためにはあちこちをいじることになりますが、あっちを立てればこっちが立たず。結局、こんなものかなというところで決めましたが、ドアが全体に少しだけ傾いていてその原因は自分が独自に固定するしかなかったハンギングバーの上もしくは下の位置が少しだけまずいことだろうと思います。これを調整するのはとても困難。折戸をグライドドアに、自分で交換しようとする人がもしもいたら、おすすめするか、悩みます。

 

・・・さらにその後・・・

いろいろと調整をして、未だ完璧とはなりませんが、満足できるレベルに到達しました。ポイントは、3つあり、最も重要なことは、グライドドアのアームを縦横完全に垂直にしっかりと固定することと、そして当然、その位置を適正にすること。ところが「適正の位置」なのかどうなのか確認するためには「しっかりと固定する」ということがうまくできず、この2つがなかなか両立しないことに悩まされます。仮固定で、ずらしながら良いポイントを探り当てる必要があるのに、仮固定では少し動くのでうまく決まらないわけです。折戸からグライドドアへのチェンジはボルトオンでできるわけではなく、ボディー側のピラー形状の違いを克服しながらの作業になるのでこのような問題との勝負になります。次には、フロア下のガイドアームのポジションと長さの調整が問題になります。これはアームの位置ほどの問題ではありませんが、なかなか厄介。そして最後に、ドアストライカー(キャッチ)の取り付け位置と角度の調整。これもなかなか難しいです。結果的に、後ろ側はクラウンのドア、前はRX-8のドアキャッチ(少し斜めになっている)を使って最適なドア開閉が可能になりました。

開閉がうまくできるようになったことを確認して、ウェザーストリップを仕上げますが、これは偶然にもこのクルマがトヨタテクノクラフト製で、ほかの部分に使用されていたストリップがあったためにこれを流用できました。ドアを受ける位置にぐるりとアルミアングルやアルミ板を巡らせておいて、そこにはめ込むだけですが、ドアと接して押しつぶされる分量を3ミリ、4ミリ程度に保つようにセットしないと、ドアの開閉の際にドアが跳ね返されてしまうなどの問題につながることが注意点でした。

最後に、ボディー本体とウェザーストリップを受けているアルミアングルや板との隙間を変成シリコーンで塞ぎ、硬化を待ってから、塗装をしたり、樹脂パーツで囲ったりして見栄えを仕上げて完成です。