Industnatural(インダストナチュラル)

「インダストリアル」と「ナチュラル」のハイブリッドライフを提案&実践中

エアストリーム・製造時の不具合? 合理性?

エアストリームはアメリカ品質? と感じる要素が各所にあります。良くも悪くも。

あちこちにありますが、今回はマニアックな部分を3つレポートします。

 

1、フレームが華奢・・・あれだけの大きさで、重いガラス窓、冷蔵庫、無垢板の扉多数、鏡、電子レンジにガスコンロに、天井には重いエアコンを搭載して、ものすごく重いのですが、フレームは意外にやや華奢です。これは、アルミのボディー全体との一体化によって強度を確保する、モノコックに近い発想によるものと思います。たぶん、ボディーをいったん外して、シャシの上に板を張って、内装品やボディーのパーツをバラバラに載せたら、どんなにバランスよく乗せてもいまいち強度が十分でないと感じるのではないかと思います。つまり、あの丸みを帯びたボディーも構造体として機能しているために、曲がったりねじれたりしにくいということ。・・・アメリカのモノは、ごつい、頑丈、おおらかな作りと思われがちですが、意外なほどにバランス重視でうまく計算されていたりもします。日本人でロケットの開発をしている人に聞いた話ですが、アメリカのほうがこういうものの設計をする際の安全係数が低いとのこと。全体の構造で良しとするラインが日本のそれより低く、日本の基準ではアメリカのようなロケットをつくることができず、それでなかなか思うように飛ばせないと。1990年ごろの話ですけれど。・・・エアストリームのボディーをカットしたり、内装の重量を増す、バランスを大きく変えるような場合は全体の構造のこと、要注意です。

 

2、アルミの腐食に対する配慮が足りない・・・アルミと鉄を接触させて、水分を加えると、鉄は赤く錆びて、アルミは白くボロボロになります。ボディーの各部にアルミ製のリベットが使われているのはこのためと思われますが、もしも鉄製のネジだったなら全滅です。ステンレスでも銅でもいまいち。ところがこの鉄とアルミをやたらと接触させている箇所があります。それはボディー下部で、見えない鉄製のフレームを薄いアルミ板が覆っているのですけれど、この鉄とアルミの間に干渉するものがなく、環境によってはひどくボロボロになります。海辺などに置いている人は特に要注意。これは対策が困難。本気ならいったんバラバラにしないといけない。陽気な修理なら、穴が空いたらつぎはぎで。

 

3、リベットの打ち損じがちらほら・・・内装をバラすと、リベットのシャフトがタイヤハウスの隙間などでたくさん見つかります。その中には少しですが未所用のリベットも混じっています。コーキングに練り込まれたシャフトも。作業中の掃除がアメリカ品質なんですね。内壁には、たぶん製造時から効いていないと思われるリベットもいくつか。これはまだ可愛らしい部分ですが、ボディーパネルの接合部のリベット打ち損じは、日本人の感覚では、ちょっと問題ありと思ってしまいます。アメリカ的には、「あれだけの数のリベットですから、中には打ち損じもありますよ、そのミスの割合も、全体の品質に影響するレベルかどうかは、一応気にしていますよ」・・・というような考えなのかもしれません。

 

f:id:KK18633C:20200915210502p:plain

前方の床を剥がした様子。フレームは意外に華奢。

 

 

f:id:KK18633C:20200915210037j:plain

鉄製のフレームと、アルミのパネルが接触している部分で見られる腐食

 

 

f:id:KK18633C:20200915210136j:plain

ボディーパネル接合部のリベットに打ち損じがあったりする