13年ルールと25年ルールは、文明と文化の違い
タイトルだけでピンとくるのは自動車に詳しい人。
そこから輸出ビジネスを考える人は商売上手。
文化を考える人は、ジェントルマン。
クルマ好きのジェントルマン・・・自動車をめぐる日本の環境、なんとかしてください。
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アメリカにスカイラインやスープラが流出していることは知られています。もともとカーチェイス系映画やゲームの影響と言われますが、最近は軽トラや往年のワンボックスカーもそうした流出の仲間に入っています。この先は、センチュリーもキャンターも、N-BOXもハリヤーも加わるはず。
アメリカは自動車産業が発達してきただけでなく、自動車を単なる消費財と見なさずに、家族や友達のように考えるようなところがあります。クルマに名前をつけたりもします。カーパーツショップにはエンジン本体が売られていたり、レンタルガレージが隣接されていたりという具合に、クルマとの付き合い方が日本とは違います。
そんなアメリカなら、街中に古いクルマが走っているというわけでもありませんが、日本と比べれば、日常の風景においても、クルマの年式の幅が相当広いのは事実です。
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この傾向は、政策の違いによって、さらに開くものと思われます。
アメリカでは、製造から25年を超過したモデルは、クラシックカーであるとカテゴライズされて、右ハンドルがOKになり、関税も排ガス規制も対象外になります。(1988年より)
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一方、日本では、初年度登録から13年が経過したクルマには自動車税の割増しという制度があり、(2015年より)さらに、18年が経過していれば重量税も割増しになります。
買い替えのコストを考えてみれば、割増し分の負担額はあまり大きくないはずなのですが、古いクルマを所有していることへの罰金のような制度であり、ユーザーを買い替えに誘導するような制度でもあります。
また、環境対策という点でも、古い物を長く使うことと、最新の環境対策がなされたものを使うことの間にある貢献度のギャップはあまり語られません。
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このままなら、日本では輸出用コンテナにまた文明が詰められるだけ。
アメリカでは、各種の関連産業が発達して、新たな文化が創られます。
大きな構図で見れば、自動車産業に限らず、日本はまだまだ成長して、もっと大人の国になれる余地があると言えるのではないでしょうか? 文明は十分。文化を作りたいですね。