Industnatural(インダストナチュラル)

「インダストリアル」と「ナチュラル」のハイブリッドライフを提案&実践中

移動式コンテナハウスを製作するプロジェクト 牽引車・牽引道具・人力!

移動式である以上、あまり移動する機会がないとしても、牽引車のことを考えないわけにいきません。むしろ、牽引車のことを考えると、面白くなります。

 

もちろん、一般道を走らせるつもりはないので、トラベルトレーラーを牽引できるようなクルマが必要というわけではありませんが、それでもやはり、自分がまず楽しむべきと思いますので、あれこれ検討してみます。

 

1、普通のクルマ

2、ヘビー級SUV(国産)

3、ヘビー級SUV輸入車

4、トラック

5、牽引専用車

6、ドリー

7、重機

8、農機

9、小型特殊車

10、工具(人力)

 

このくらい?

 

順番に考察。

 

1、普通のクルマ・・・ エアストリームでも、20ftくらいのもので、平地なら、軽自動車でも動かせます。向きを変えたり、位置をずらしたりするくらいならむしろ軽自動車のほうがやりやすいです。ホイールベースが短くて小回りが利くからです。ただし、(大前提として、クルマへの負担は相当大きいことは当然として・・・)軽自動車でも普通車でも、牽引にFF車はよくないと思います。ヒッチに強い荷重が加わるようなシーンがあればトラクションを失ってしまうためです。逆に四駆である必要はあまりありませんが、未舗装路で動かす場合は四駆が良いです。使いにくいのは、車高の低いクルマです。リアタイヤを背負っているクルマも、牽引装置が干渉するような低い位置にタイヤがある場合は取り外す必要があります。ホイールベースが長いクルマは、長距離の移動にはピッチングが少なくて良いですが、位置決めや車庫入れのようなシーンでは前後左右に動ける余裕を多く求めるため扱いにくいです。

 

2、ヘビー級SUV(国産)・・・ ランクルでしょうか・・・ かつてはサファリやパジェロやビッグホーンのようなクルマも候補にあがったのかもしれませんが、今は寂しい限りです。ランクルはどの型式でも牽引には優れていると思います。シリアスな牽引のためには80、100、200が良いように思います。ブレーキの強さがその理由です。

 

3、ヘビー級SUV輸入車)・・・ アメ車でしょうか・・・ ヨーロッパはトレーラーを軽くする傾向が強いためか、あまり牽引能力を求められないのかもしれません。ステーションワゴンが巨大なトラベルトレーラーを牽引していたりします。レンジローバーはエアサスでなければ良いように思います。ディフェンダーなら、英国でも農業用のヘビー級トレーラーを牽引している様子を見ます。アメ車のヘビー級SUVピックアップトラックは牽引が必須科目のようになっているので文句なしです。適正があるものについては、ヒッチメンバー付きでないものを探すほうが難しいくらいです。

 

4、トラック・・・ あまり牽引車として検討する人がいないのかもしれませんが・・・2トントラックは非常に優れた牽引車です。3トンレベルのトレーラーを余裕で牽引できます。ランクル70よりもかなり優勢です。特にダンプはフレームも強いために適しています。ヒッチメンバーを作る必要がありますが、その際に、いすゞよりも日野のほうが作りやすいようです。

 

5、牽引専用車・・・ 国産なら、トラックベースのレッカー車や空港で働いているような車から、フィフストレーラーを牽引できるトラクタと呼ばれる大型トラック。輸入車なら、やはりトラック系商用車ベースのいろいろなレッカー車から、日本のトラクタよりもうんとおおきなトラクタまで。・・・ このクラスになると、仕事で月に何度もヘビー級トレーラーを牽引するような人でなければ十分にその性能を活用できないかもしれませんが、趣味のクルマとして面白いかどうかというと、面白いです!

 

6、ドリー・・・ 手動、電動、エンジン付き、いろいろあります。一人で持ち上げることができるような装置で、牽引車というよりは大きな工具というイメージ。小さな動力でも、ギアをたくさん使うことでトルクを強くしていて、強いタイヤでトレーラーのヒッチ荷重を受けることでじりじり、ぐいぐいと進み、巨大なトレーラーを移動させてしまいます。ただしこれは平地専用。狭い車庫から公道付近まで連れ出すようなシーンで使うものです。

 

7、重機・・・ 油圧ショベルは優秀な牽引装置になります。2トンレベルのトレーラーでも、平地なら、1トンレベルのミニユンボとかマイクロショベルと呼ばれるようなものでも動かせます。傾斜地なら、2トンレベルには2トンレベルの油圧ショベルが適しています。ただし、ヒッチボールを使うにせよ使わずにロープなどで連結するにせよ、十分に注意しなければならない点があります。それは、「重量による強制回転」です。上りであれ下りであれ、回転する機能を持つ油圧ショベルのアームに強い力がかかると、ぐるっと回転してしまう瞬間があるのです。土や石をすくって自分から回転するために設計されているせいか、逆に相手から押されるような力をあまり想定していません。例えば、上り坂でアームをコンパクトな位置にして、バケットの中心に牽引装置をくくりつけてまっすぐにトラベルトレーラーを押しながら前進していたとします。ある瞬間、これがぐるっと回転します。トラベルトレーラーが坂を下る方向に走り出します。いったん走り出した2トンを抑え込むことはできません。激突して、双方かなりのダメージを負います。3トンレベル以上の油圧ショベルなら大丈夫と思いますが、この危険への対策は絶対に必要です。もしもアームではなく排土板にヒッチボールを固定できるのであれば、この「強制回転」の心配はありません。2トンレベルの油圧ショベルでも、傾斜地で2トンのトレーラーを十分に動かすことができます。・・・ 他の重機も、バランスを崩す心配がなければ活用できると思います。フォークリフトも優秀ですが、平地専用です。

 

8、農機・・・ 農機も優秀な牽引車です。トラクター全般はその名の通り牽引に向きます。非常に小さな農業用機械で、キャタピラー駆動のもの ー果物の収穫や肥料の運搬等に使う道具ー はドリーとして使うことができます。

 

9、小型特殊車・・・ 農業用からレジャー用までいろいろなものを見つけることができます。形状はバギーから軽トラの小型版のようなものまで。自転車のようなものでエアストリームを牽引したら古いカタログのイメージ写真のようになりそうですね。

 

10、工具(人力)・・・ ボートトレーラーや軽トレーラーなどでは、フロントのジャッキにタイヤがついていることが多いです。このようなタイプのトレーラーは、平地なら人力でも動かせます。少しでも傾斜があれば、下りはとても怖く、上りはいくら押しても進まなくなります。人力で動かすのであれば、動かしている途中ですぐにサイドブレーキをかけられる機構は必須と思います。また、カーゴトレーラーなどで積載をしている場合は重量バランスに注意が必要です。荷下ろしのときや、人が後部に乗ったときに唐突に尻餅をつくことがあります。そのような場合は当然連結装置のあるフロント側は唐突に跳ね上がるためとても危険です。ヘビー級のトラベルトレーラーのジャッキにも敷地内移動などでタイヤを取り付ける場面があるため、そのような商品が市販されていますが、この使用はほんとうに平地だけにしないと危険です。特に、アメリカのトラベルトレーラーはフロント荷重が500キロほどもあって、それをジャッキ一本で受け止めることが停車用のブレーキになっているのです。これにタイヤを取り付けると、サイドブレーキのないクルマと同じになります。少しでも傾斜があれば動き出す危険がありますし、いったん動き出せば暴走します。停車させるためにはそれを追いかけてタイヤの前に角材を突っ込むというようなアクロバットだけが有効という状況になります。そもそも、平地であっても、このようなトレーラーを人力で動かすのはあまり現実的でないと思います。