Industnatural(インダストナチュラル)

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DIY・オフグリッド・リチウムイオン電池の近未来(2023年1月時点)

鉛電池には150年の歴史があります。リチウムイオンはまだ十数年。リチウムの次の新たな電池が一般向けに実用化されるまでには少なくともあと十数年かかりそうです。

一方、卒FITで売電を諦めて自家消費へと向かいたいという人がどっと増えることは止められず、また東京都による「新築にはソーラーパネル」という、現代の日本で可能なのか? と思われるようなルールの良し悪しはさておき、「やっぱり太陽光」という流れもやはり止められないと思います。

 

太陽光の弱点は、朝と夜という電気を最も使いたいときにいまいち発電してくれないところで、その部分を補うためには蓄電がどうしても必要になります。ではその蓄電をどうするかと言えば、リチウムの登場になります。

 

+++++ そこで、リチウムイオン電池の実態と近未来について再考 +++++ 

 

<リチウムの問題点>

リチウムには問題点がいくつかあります。まず価格。電気代の節約によって蓄電池の価格をカバーできるかどうかは大いに疑問。次に、性能のばらつきと劣化。新品は中国から調達するしかなく、中古品はクルマ用から調達するしかありません。さらに、充放電の管理が難しい。

 

<価格>

リチウムイオン電池の相場は登場以来どんどん下がって約9分の1になりましたが、それがどうやら底値。2022年には初めて上昇に転じています。2022年が底値ならとても高い。ただし電気代が上がれば安く見えるし、住宅やクルマとセットでも安く見える。仮に、リチウムの蓄電池の価格が今のままで、電気代が3倍になれば、多くの人が慌ててリチウムを求めるようになると思います。それで大量生産に至ったとしても、原料や製造工程などの問題から、良質なリチウムイオン電池を安く確保できるようにはなりにくい。価格面だけで言うなら、迷っていた人は2023年は導入の良いタイミングかもしれません。

(予測・・・市場が混乱して、いろいろなビジネスが誕生する・・・)

 

<ばらつきと劣化>

性能のばらつきと劣化については、せっかく新品を購入しても性能が揃わず、蓄電池にしたときにうまく性能を発揮できなかったり、思いの外早く劣化してしまったりという問題もあれば、そもそも最初から使い物にならないという問題もあると思います。見た目で良し悪しがわからない上に分解整備も不可ですから悪人の手にかかれば良いビジネスになってしまう。電圧は出ていても容量が乏しく、調べてみたら中身はほとんど粘土同然だったなんてことがあるかもしれません。それは極端だとしても、粗悪品を高く売れるチャンスと思う人はたくさんいるはず。

(予測・・・まずい電池を買わされてしまう人が多くなる・・・)

 

良いものでも、使用するうちにゆっくりとバランスが壊れていくことは避けられません。充放電の管理のためにどうしても必要なパーツが熱を持つことのある電子基板であることもまた悩ましいところ。電池の状態は良いのに付随しているメカがダメという場合も多いのです。

(予測・・・最初はよかったがすぐに壊れたと言うユーザーが多くなり、怪しい中古品も、直せる人にとって好都合な中古品も流通する・・・)

(予測・・・事故が発生する。輸送中、作業中のショート、鉛電池用充電器の流用やソーラーチャージコントローラーの設定間違いによる過充電、寒冷地での充電による熱暴走など・・・)

 

<維持管理>

個人が所有するようなものではなく、中身を使わせてもらうためのインフラと考えるべきかもしれない。・・・しかし普通の一家の電力を支えるためには大きなスーツケース2個分、重量は約200キロのバッテリーパックが毎日必要。そんな交換サービスは実現できません。そこで、ソーラーパネルや風力によって各家庭で発電してもらう。良い蓄電池ならたぶん5年、10年と持ちます。悪い蓄電池でも1年から3年は交換が必要になるほどの劣化をしない。このように考えたところでやっと、自家用車の買い替えタイミングのような感覚で蓄電池を考えることができるようになってきます。しかし蓄電池にはクルマを買うときのようなときめきがないし、使い心地というようなものもない。何も感じないほど良い商品なので、購入者の感情を揺さぶるような売り方ができない。

(予測・・・成功するのはリース。買い取り価格を保障した蓄電池ユニットの販売や、サブスクリプション方式でリチウムイオンの蓄電池を提供し、メンテ、サポートするビジネスが最良の方法ということになる・・・)

 

 

+++++ DIYという観点からみたリチウム +++++

DIYの大勝利。太陽で充填できるプロパンガスボンベをつくることが許されているのと同じことです。電気代の節約分で元がとれるだろうかと考えられるのは今のうち ーというのは言い過ぎだとしても、電気を作り出して、溜めておけることの自由はとても大きいです。

(予測・・・電気工事士資格の受験者が急増する・・・)

 

 

 

リーフのバッテリーモジュール7個による48Vシステム用蓄電池(公称3500Wh)このまま鉛電池と同様に充放電させることは厳禁