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DIY・中古ソーラーパネルの二次市場・争奪戦がはじまるかもしれない

DIY・中古ソーラーパネルの二次市場・争奪戦がはじまるかもしれない

 

ユーザーの知見が蓄積されるにつれて、どうしても単結晶でなければならないとか、中古はいやだとか、中国製は心配だというような、印象による判断をしなくなり、合理的、論理的な判断をするようになると思います。

 

性能に問題がなくて、より安いという事実を知れば、中古パネルを選ぶというのは当然の成り行きです。特にパネルの場合、中古のクルマや家とはまるで違って、合理的な選択ができるようになればその傾向は一気に強くなります。最近では、家が新築なのにも関わらずパネルは中古という事例もあるそうです。

 

クルマや家は、多くの人がエモーショナルな選択をするものです。「欲しい」という感覚で選びます。そして「確実に損」をするとわかっていても「欲しいが勝る」ものです。そもそも損得とは別の次元で判断されるものと言ってもよいと思います。

 

しかしパネルは違います。購入の理由はほとんど100%が「電気代の削減」(あるいは売電)であって、発電能力はいまいちですがデザインで選びましたというような人は滅多にいないはず。損得の判断に基づいて選ぶ傾向がものすごく強いのですから中古品の実態が見えてくれば、特に迷うことなくより合理的な選択をするはず。

 

問題は、中古パネルの二次市場が成熟していなかったことでした。

 

一般家庭用のパネルは、家の建て替えやソーラー業者の営業トークの結果として交換される場合がほとんどであるために中古品として出てきた時点でとても古くなっていることが多く、また取り付け場所が傾斜の強い屋根の上だったりして撤去の際に傷がつきやすく、そしてそもそもまとまった数を確保できないことがほとんどなので中古品として価値を維持することは困難です。以上のような理由から、一般家庭向けのパネルがしっかりとした二次市場を作るのは難しくなっています。

 

一方、産業用のパネルの場合、発電所のパネルの総入れ替えを行う理由がさまざまで、その中には落雷や積雪、台風のために一部のみ損傷した場合、廃業する工場や店舗の屋上からの撤去、土地活用方法の変更というような理由があり、そうした現場からはまとまった数の優良パネルが一度に放出されます。大量のパネルをすぐに引き受けられるのは、そのような取引に知見がある専門業者だけで、そのほとんどは海外に流れてしまいます。このため、中古パネルはそのまま「廃棄物」というイメージになってしまい、産業用のパネルは良いものはどんどん海外に流出していました。そして悪いものは日本の産廃処分場に流れ込むという残念な状況。

そのような状況が見直され、近い将来、中古パネルの国内二次市場がしっかりしたものになり、活性化すると思います。

 

パネルの価格が、もしも発電量をもとに算出されるのであれば、新品の5%から10%引き程度になります。施工後10年間の発電予想量としても、10%から15%引きにしかならないと計算できます。産業用パネルの中古品は、良いものなら、その程度しか劣化していない上に劣化の速度は無視できるくらいに緩やかなのです。そんなことが報じられるようになれば・・・ 中古パネルの争奪戦がはじまるかもしれません。

 

中古パネルの二次市場はどうなる?